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アンドレ・ルロワ=グーラン

October 30, 2019 at 8:59 am, No comments
1982年に出版された "LES RACINES DU MONDE" (The Roots of World) の翻訳本の第3章に「日本の思い出」がある。著者が日本に留学していたときの思い出をインタビューアーに語っている。

「十九世紀の日本はそれまでもっていなかったもの、すなわち、ヨーロッパの高度な工業や国防力を得ようと努力し、あまりにも大きな成功を収めました。」

「このあまりにも大きな」というのは、ヨーロッパにとってではなく「日本自身にとって」と著者は念を押し、

「日本人たちは市場の掟によって作るものを売るという束縛を味わっているのです。こうした観点からみれば、日本文化は何かしら絶望的な、そしてはたからみれば幾分なりと失望させるような要素を帯びている、と言えるでしょう。」と結論づけた。

この束縛と絶望、そして世界を失望させるという結論は、著者のフランスからみて飢えや化学公害から地球を救うために全力を尽すという立場の表明だった。 

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