小松左京『明日泥棒』
March 19, 2020 at 5:17 pm,
No comments
解説「小松左京ライブラリ」より週刊現代1965年1月1日号から7月15日号まで掲載された.
ほぼ同時期に『果てしなき流れの果てに』がSFマガジンに連載された.
NHKで放送された「宇宙人ピピ」もほぼ同時期だった.
読み終えて思ったことは,突然登場する宇宙人らしきゴエモンを「気に入る人」と「そうでない人」がはっきり分かれるように作者は描いているのではないか.気に入る人は文明批評という毒を飲む勇気がいるということだ.
ゴエモンが哲学書を主人公の彼女に読み上げてもらうシーンがあるが,ゴエモンの体のどこがその本に述べられてる哲学に反応しているかを主人公が知ったときこそ,主人公がその本質に触れかけたときだ.